プロローグ。

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それなのに、いつ好意を持たれるのだろうか? うーん。いや、それ以前に関わるのが怖い……。 何を考えているのか分からないから余計に。 「あの……気持ちは、嬉しいのですが 辞退させて頂きます」 「はぁっ?何故だ?」 何故だと言われましても……。 「俺は、お前に結婚を申し込んでいるんだぞ? それの何処が不満だと言うのだ?」 不満も何もいくらハイスペックでも 私から見たあなたのイメージが怖過ぎて 素直には頷けません。 「私には、勿体ない話ですし……」 どう説明したら怒らせずに 納得してもらえるのだろうか。 変に断ると私の会社生命に危機があるだろうし。 すると社長が机を思いっきり叩いてきた。 ビクッと肩が震えた。 そして社長は、席を立つと私の方に向かって来た。 「どういう意味だ?それは……。 勿体ない?勿体ないと思うのなら素直に 受け入れればいいだろーが。 それとも何か?俺は、お前と結婚が出来ないほど 価値が低いと言いたいのか?」 えっ……? な、何でそうなるの!? 勿体ないと言っただけなのにキレられてしまった。 「返事は“はい”だ。 それ以上のことは、認めん。分かったな!?」 「は、はい!!」 私は、恐怖で思わず返事をしてしまった。 大変なことになってしまった。 えっ……普通。結婚のプロポーズと言えば ロマンチックな場所で愛を育てながら されるもんじゃないの? 社長のプロポーズは、プロポーズじゃない。 ただの脅迫だ。
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