プロローグ。

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プロローグ。

私は、七瀬美織(ななせ みおり)。 23歳。 神宮寺財閥の本社でOLとして働いていた。 ちなみに経理課だ。4月で2年目になる。 何処にでもいる平凡な女だ。 名前は、可愛いと言われたことは、あるが ここ何年は、彼氏が居なかった。 彼氏は、欲しいと思ってはいたけど 何故……こうなってしまったのか? 自分自身にも分からない。 「七瀬。俺と結婚してくれ」 「はい?」 驚くことを言ってきたのは、 この神宮寺財閥の御曹司兼社長。 急に社長室に呼ばれた時は、 何をしてしまったのかと怯えていた。 それなのにいきなりのプロポーズだった。 驚き過ぎて幻聴でも聞いたのかと思った。 「あの……おっしゃっていることが よく分からないのですが?」 「そのままだが?俺は、お前が好きだ。 だから俺と結婚しろ」 いやいや、色々とぶっ飛び過ぎですから!! 私は、彼の言葉の意味が理解出来なかった。 いつから私のことが好きだったの? いや、それよりも何故急に? 考えれば、考えるほど分からない。 神宮寺真那斗(じんぐうじ まなと)社長は、 会社では、俺様社長と呼ばれていた。 神宮寺財閥の御曹司で、アメリカの大学を 首席で卒業。 若くして社長に就任したのだが 美形で実力も学力、全てにおいて ハイスペック。しかし とにかく俺様で、自分だけではなく部下にも厳しい。 泣かれされた部下は、数えられないほど 居るとか……。 それでも女性社員からの人気は、絶大だった。 それに私は、地味な一般OL。 社長を見れるのは、廊下やイベントぐらいで 数えるほどもない。
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