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てのひら
きみの手は、いつもつめたい
「早く、起きて」
朝、頬にふれる手も
「はい、ご飯」
あたたかな手料理に添えられた手も
春も、夏も、秋も、冬も、いつもひんやりしている
「わかってると思うけど、つめたいよ」
肌寒い夜道で、手を繋ごうとしたら、きみに言われた
だから僕は、笑ってこたえる
「大丈夫、それをあたためるために、僕がいるんだから」
「そう、すきにすれば」
そっぽをむいた、きみの頬の色には、気づかなかったことにしておこう
きみの許しを得て、僕らは今日も、手を繋いで家路につく
きみが、どんなにそっけなくても、どんな時だって、僕は、この手を離す気はないから
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