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君という人
『人気者の君』は今日もクラスの皆に囲まれている。時々同じ部活の人もやって来る。話しかける内容は人それぞれ、簡単な世間話だったり少し重たい相談事だったり。たまには誰かの愚痴を聞いていることもある。
『優等生の君』は先生に頼りにされていて、困った時はいつも手伝いを頼まれている。もちろん優等生だから断ることも無い。やらなければいけないことがあるのに、自分のことで手一杯なのに「君なら大丈夫」そう言われて引き受けてしまうのが常で、誰も君のことを疑わない。一度だって「本当に大丈夫?」と言われていることなんて見たことがない。
『頑張り屋の君』は夜遅くまで勉強をしている。もうすぐ学校でテストがあるからかな。いい成績を残さないと母親に殴られちゃうとか言ってたっけ。可哀想だけど、僕にはどうしようも出来ない。なぜなら君は自分の心に深く立ち入ることを許してくれないからね。
『他人から見えている君』なんて捨ててしまえばいいのに、どうしていつまで経ってもそうすることが出来ないんだろう。本当に馬鹿馬鹿しいし、くだらない。
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