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僕は君が嫌い。
ほら、また綺麗に笑いかけてる。
鼻が触れそうなくらい近づいて、離れていく。
少しふてくされた僕を見て、また綺麗に笑う。
僕の頬を細い指でつついて、また離れていく。
僕は君が嫌い。
優しく優しく背中を撫でる。
放っておいてほしい。
僕は怒っているのに、君はくすくす笑い出す。
見えないけど、いつもの綺麗な笑顔なんだろう。
本気で怒ればいいのかもしれないけど、そんなことも出来ない自分が悲しい。
僕は君が嫌い。
温かくて柔らかくて気持ちいい、ここが君の膝の上だということが、悔しい。
いつもいつも、こんな単純な手に引っ掛かって、君に主導権を握られている。
僕は怒っているのに…。
そんなことは、どうでも良くなってしまう。
何に怒っていたんだっけ?
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