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ケートは勇者として戦っていた。
ただ自分がこの世界最強だとはどうしても思えなかった。
理由は先程断られたシイという男だ。
一番最初の時はウートは勇者に選ばれた自分こそが最強だと思っていた。
この世界はステータスを自分で決められる。
ただし決められたロールによりステータスを振れる量は全然違うのだが。
例えばふつうの村人が1レベル上がるごとに1ポイントもらえるとしたら勇者は10ポイントもらえる。
俗に言うエリートの役職だって5ポイントがせいぜいだ。
それほどまでに勇者というのは圧倒的だ。
世界に3人しか確認されていない勇者はみんな例外なく最強の座を手にしている。
もちろんウートも最強の座を手にしていた。
そして自分が一番最強だと信じていた。
3年前までは
その日ウートは暇だった、だから暇つぶしウートは素性を隠してトーナメントに参加したのだった。
今でも忘れない準決勝戦だ。
見た目パッとしないみすぼらしい村人だった。
ウートは完全に舐めてかかっていた。
一振りすれば大抵のやつは認識もできずに終わっていく、いつも通りつまらない戦いだ。
つまらない戦いだと思っていた。
蓋を開けたら圧倒的な敗北だった。
手も足も出なかった。
まさか自分が相手の攻撃に反応できないとは思わなかった。
その時からなにかとシイと関わりが多くなった感じがする。
世界には自分より強いものなどたくさん存在する。
世界は広い
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