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そして、その猫を抱いて、洸のところに行くんだ!
「いや、行ってどうするんですか?」
と突っ込む盛田の声が耳に聞こえてこないこともなかったのだが。
恋する乙女も少々頭がおかしいが、恋する男もかなりおかしい。
特に深く考えてはいなかった。
道端で猫を拾わねばな。
ノートパソコンを打ちながら、遥久は真剣な顔で画面を見つめつつ、考えていた。
わざわざ買っていったんじゃ、なんか違う。
やはり、猫は拾うべきだ。
そして、洸に話しかけるんだ。
「この猫落ちてたんだ!」
と。
そう決意すると、どうしていいかわからず、思いつめていた気持ちがふっと楽になり、その日は機嫌よく過ごせた。
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