1775人が本棚に入れています
本棚に追加
まあ、おそらく、洸が聞いていたら、
「……何処がですか?」
と言ってくるとこだろうが。
そのとき、階段の方に洸が見えた。
……洸っ、と思ったが、先程の反省もあり、とりあえず、遠巻きに眺めることにする。
しかし、洸は誰かと話しているようだった。
廊下を歩く位置を微妙にずらして、相手の顔を確認する。
章浩だった。
なに楽しげに話してやがる、と笑う二人の顔を眺めたとき、ちょうど自分の真横に設置されていた消火器が凶器に見えた。
だが、そのとき、こちらに気づいた洸が自分に向かい、笑って手を振ってきた。
洸っ。
無邪気な笑顔で、なんて可愛らしいんだっ!
走り出して、抱き締めたい気持ちに駆られたが、此処は会社だった。
最初のコメントを投稿しよう!