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ゆっくりと歩いていき、章浩に軽く頭をさげると、
「どうした?」
と洸に訊く。
洸があのキラキラした瞳で自分を見上げて言ってきた。
「課長。
土曜日、一緒に行きませんか?」
何処へだ!? 洸っ、と洸からの誘いに身を乗り出しかけたが、
「おにーちゃんのおうちです」
と言われ、一気に引く。
……死んでも嫌だ、と思っていた。
小さな頃のお前のあられもない姿を見たり。
お前に、おにーちゃん、おにーちゃんと慕われている男の家に行くのは。
「おにーちゃん夫婦はお付き合いで観劇に行っていないので、子どもたちを見ていて欲しいそうです」
子どもの相手かー。
あんまりしたことないんだが。
だが、いずれ、俺と洸の間にも子どもが出来るかもしれないから、予行演習と思えばいいか。
「いいぞ」
「ほんとですか?」
と洸は手を叩いて喜ぶ。
そこで章浩が言ってきた。
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