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絆とこれからも
僕は、寂しかった
家に帰っても、いつも誰もいなくて、お母さんが帰ってくるのは、夜遅く
でも、わがままは言えなくて、ずっと我慢してきた
だから、あの公園にいったんだ
大きい木の下で、ひとりでいるおばあちゃんをみて、ぼくみたいだと思った
僕は、同じ年頃の子と話すのが、苦手だったから、おばあちゃんの隣が心地よかった
おばあちゃんとちょっとずつ仲良くなって、一緒に、縫い物をしたり、宿題をしたり、
僕としては、お世話をしてるつもりだった
けど、やっぱり大人だな
おばあちゃんに言われるまで気づかなかったけど、僕は、おばあちゃんに甘えていたんだ
僕は誰かに甘えたかった
我慢をしないで、ありのままでいられる友達が欲しかった
でも、言わなきゃ、なにも伝わらない
おばあちゃんに背中を押されて、僕は、今まで我慢してきたことを全部
お母さんに話した、そして、伝えた、引っ越しなんてしたくないって
お母さんは、そんなに大事な友達がいるなら、ここにいようか、って笑ってくれた
それから、お母さんは、夕方になると、公園まで迎えにきてくれるようになって、
おばあちゃんのまわりには、なぜか、ひとりぼっちの子供たちが集まるようになった
それでも、おばあちゃんの隣は譲れない、だって僕たちは、一番の友達だから
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