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『バカをいっとるんじゃなかよ!
やっと、ここまで心の修行ができたんじゃ。しっかり確かめるんじゃぞ。
何を感ずる?』
丸い物だね。円盤みたいな・・・。
あっ!なんか円盤みたいなのが現れた。タブレットだ!円盤形のタブレットだ・・・。
ユウコ姉ちゃんの心にはタブレットがあるんだね・・・。
『アホか!オマエ!
良く見ろさ。みんな、応現神の修行してるんだベ!
心象べさ!』
今度は婆ちゃんが心に現れたと思ったら、母ちゃんがチャーシューの乗った大皿を持ってきた。婆ちゃんもうちの猿田比古神社の祭神、鈿女神さんで、オレの守護神だ。
「ヨッちゃんちの、お、み、や、げ。
お昼は、私たちが、みんなのだいすきな、美味しいラーメンを作ってあげるねっ!」
そういいながらチャーシューの大皿を座卓に置いて、キッチンにもどり、今度は紅茶とお茶を持ってきた。
「じゃあね」
母ちゃんはダイニングキッチンの雑談の輪へもどっていった。
オレは婆ちゃんにいわれたように、ユウコ姉ちゃんの心をよく見た。
あれ、ホントだ。映像が現れてるだけだ。
婆ちゃんがいう。
『サスケがいうんは、古事記や日本書紀で、三種神器で鏡と表現された心象だベ。それは、私らの時代より後世の者が伝えた話だべさ。
私らの時代は原大和朝廷の時代ださ。
祝詞に詠われてる、高皇産霊大御神が饒速日命授けた十種端宝ださ。
十種神宝ともいわれてるべさ。
その中で、鏡と表現された心象ださ。
心象には二種類あって、そのひとつが辺津鏡と呼ばれる、ユウコ姉ちゃんの心象ださ。自分の心に人の心を映すんさ。ひいては人の近未来を映すんださ』
もう一つの心象は何?神器って神々の能力なの?心なの?
今度は爺ちゃんがいう。婆ちゃんは母ちゃんの心にもどったのだ。
『サスケがいう能力は、まさに神の心じゃよ。近可視能力じゃよ。
修行が進めば、おのずと心に現れるよってに、あわてんでもよかよ。
すでに二つ、現れおったでな・・・』
神の二つの心は、オレの心の魔除けの剣と、ユウコ姉ちゃんの近可視能力か・・・。
あいかわらず、爺ちゃんはかんたんに物事を教えない。実体験しろということか・・・。
『わかっとったら、チューシュー食って、ユウコ姉ちゃんの鏡を見ようぞね・・・。
ああ、そうじゃ。魔除けの剣は、本来は八握の剣じゃが、お前には十握の剣を与えたでな。このこと、よう、心得ておくのじゃぞ』
とか何とかいっちゃって、爺ちゃんはチャーショーをつまんでる。
おっと、爺ちゃんじゃない。つまでるんは父ちゃんだぞ。淡雪時雨もつまんでる。
幸たちなんか、紅茶とカステラとチャーシューだぞ。
こいつらの腹ん中はだいじょうぶか?メタボへまっしぐらだぞ。
だけど、いつお菓子を用意したんだ?
ははあ・・・、婆ちゃんと母ちゃんだな。母親たちが来るんで用意してたんだな。
『心配せんでよかよ。
皆、心のエネルギーに変るよってね、太りはせんばい』
そういって爺ちゃんは父ちゃんの中へ消えた。
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