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「そういうことが起こるんか?」
幸も気がかりだ。
「大事なかんべさ。うちの会社は、豚舎から冷凍庫から配送車庫まで、すべてのセキュリティーは完璧だベ」
佳子が不信感を引きちぎるように、つまんだチャーシューを歯並びのいい歯で食いちぎった。
「うん、でもね。そういうのがあっても、何かが起こる気がするの・・・」
ユウコ姉ちゃんは紅茶のカップをとってつぶやいている。
「なんだ、ユウコ姉ちゃんは予言者か?」
佳子はユウコ姉ちゃんの言葉を疑っている。巫女修行なんてしても、何かが変るわけじゃない。幸のような能天気が、巫女さんをやっただけで何か変化があるはずがない。
「あたしたちはなあ・・・」
幸が怒ったようにいいだした。佳子の思いを感じて、けなされたと思っている。
「いつ頃、何が起こるか、わかる?」
オレはユウコ姉ちゃんの顔を見た。だが、オレの心はユウコ姉ちゃんの丹田にむけられ、婆ちゃんが話したように、そこに、現れる心を待った。・・・。
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