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「え?嫁さん…?俺ら、夫婦だよね?」
「死んだら別腹。」
死んだら別腹…なんというパワーワード……(?)。
「ショッピングモールの中、カップル(死語)が多かったでしょ?それ見てたら、なんかいいなって。ほら、私恋もしないうちに結婚したから。」
「俺とは恋してなかったんですね!」
…無自覚なんだろうけど、嫁さん?
俺の罪悪感を煽るんじゃない。
罪悪感で俺も死んでしまいそうだから!
遠まわしな直球ストレートをくらって俺のHPは既に0よ…。
「あ、でも強いて言うとだから!全然他でも大丈夫!」
取り繕ってる感がすごい。
そして否定しないんですね。
「いいよ。“簡単に晴らせないことだから未練”なんだろ?ちょっと複雑だけどそれでお前が成仏できるなら協力するよ。」
「ありがとう!」
あー喜んでる嫁すっごい可愛い。
見た目完全に美少女JKだし状況的に完全に寝取りものみたいになるしで俺色々ヤバいおっさんになるけどまあ、いっかぁ…。
この顔を見れたなら歩き回った甲斐もあるしね。
「えっと、恋するなら相手が必要だよな?幽霊ってお互いの姿わかるのか?」
「却下。」
「え?」
却下とは。
嫁はぷんすかぷんすかという効果音が聞こえてきそうなくらい可愛らしい顔で地団駄を踏んだ。
「基本みっんな顔色悪いしネガティブだから嫌!」
なるほどなるほど日本のみなさん聞きましたか。
これが現代社会の闇です。
「たしかにそれだと恋の相手には、なあ…。」
嫁がそれで幸せになるわけないなんて俺でもわかるし、そんな状態の男にうちの嫁はやれん。
「やっぱり人間も食べ物も生ものが一番よ!」
「誤解を呼ぶような言い方はやめなさい。」
でも、そうだな。
その点生きてる人のほうが顔色もいいからな。
「ね!恋する相手は絶対に生きてる人で決まり!」
「はいはい。じゃあまた探しに…え。」
俺の顔色がみるみるうちに悪くなっていってるのがわかる。
「ってことで、明日もお出かけね~♪」
フラグ回収終了。
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