俺の嫁、恋する

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俺の嫁、恋する

あの日から嫁の好き好きアピールは始まった。 「ね、旦那君好きだよ。」 前言撤回。 告白ラッシュです。 最初からクライマックスです。 恋愛なんかしたことない嫁に段階を踏むなんて器用なことができるわけがなかったんだ…。 「だ、旦那君は?」 「う、うん。」 ここで思い出してほしい。 告白もなにも俺ら夫婦なんだよなぁ…。 既に恋愛跳び越えちゃってること嫁は気付いてないんだろうか。 「好きって言って?」 「うんうん好きだよ嫁ぇえ!」 ツッコみたいのはわかるよ。 でも自分好みの美少女が俺に、俺に好きって!好きって言ってって! 甘えてきたら頷くしかないし言うしかない!! 今は恋人って感じの立ち位置だけど、新婚ってこんな感じなのかとふと思った。 「嬉しい!」 にこにこしてるとこ水をさすのは気が引けるので言わなかったが、恋人みたいなやりとりを既にしているのに嫁が成仏する気配はない。 恋をするのが成仏の条件なはずだ。 本当は恋してないとか? それとも嫁の恋愛のゴールが付き合うことじゃないから? 気は進まないが大事なことだ。 確認しておこう。 「嫁はさ、恋愛ってどこがゴールだと思う?」 「え、わかんない。」 あ、はい。 そうでした。俺の嫁はこういう嫁でした(?)。 失念していた。 終わりがわかってないんだから成仏するはずがない。 「そっか…。」 でもまあ、今はいいか。 こんなに嬉しそうに楽しそうに笑う嫁なんて初めて見るし。 今はまだ、このままで。 「なんで?」 「…なんでもないよ。」 俺ら夫婦、恋愛始めました。
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