ポケットサイズになった幽霊は俺の嫁

俺の嫁、ポケットサイズになる

本当にこれで嫁と会えるのか？
あまりに書けた項目が少なすぎて心配になる。
名前と生年月日だけなんて、同姓同名が来ても文句言えない。
でも、まあ、所詮はお遊び。
悪ふざけの範疇だ。
もし来てしまったら一応丁重に謝って帰ってもらおうそうしよう。
なんとなく深呼吸してから「完了」をタッチする。
すると。
「画面、真っ暗になっちゃったけど……？」
え？もしかして故障？このタイミングで？嘘だろ？
このスマホ仕事でも使ってるのに。
「誰か嘘って言ってくれよ……。」
「うそ。」
え？
「うそ。」
え？え？
「うそうそうそうそうそおおおおおおおお！！」
「わかった！わかったって！わかったからストップ！某アニメの台詞みたいになってるから！」
すると声はピタリと止まり、また静寂が訪れた。
なんだったんだ……。
「なんか大きな声出したらどっと疲れた気がする……。」
……疲れすぎて幻聴でも聞こえたのかもしれない。
もう寝よう。
そして明日AYOUショップ行こう。
「おやすみなさい。」
もちろん誰もいない部屋で独り言のように呟いた。

「おやすみなさい。」