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それからというもの俺たちは毎日愛を囁き合った。
といっても、嫁からの告白に俺が相槌を打つだけという一見なんとも味気のないものだったが、嫁は満足しているようだった。
何がいいのか俺にはよくわからないけど、嫁が笑ってるんだったらまあ、それもいいかと思うのだ。
週末は毎回デートという名の散歩。
金欠になれば家で一日2人でのんびりと過ごす。
その生活を続けて3か月がたった頃、簡単にいうと俺は飽き始めていた。
嫁の想いが重く感じるようになってしまったのだ。
毎日毎日何をするにも嫁がいて1人の時間なんて微塵もない。
嫁が生きている時はもっと自由だった。
お互い最低限しか関与しない楽な関係。
あの頃がすごく懐かしい。
一方今の生活はすごく息苦しく鬱陶しい。
もうとっくにクリアしたギャルゲを何回も何回もリプレイしている気分だ。
嫁が笑っていれば、なんて殊勝なことを考えていた俺が恥ずかしい。
罪悪感から繕ってはいたが結局蓋を開けてみれば俺なんて身勝手でクズな男だ。
今思えば、そんな男と結婚なんてしたから嫁は死んだんじゃないのか。
全部憶測でしかないが、寂しさが募ったり将来に絶望したりさ。
そんな理由で嫁は死んだんじゃないのか?
そうだとしたら…嫁を殺したのは、俺じゃないか。
なんてことだ。
罪悪感を持つなんておこがましいにも程がある。
「ごめん…嫁、ごめんな…。」
謝るのすら本来なら許されないだろうに。
それでも縋る俺はなんて浅ましいんだろう。
その日俺は声を押し殺し、枕を濡らした。
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