俺の嫁、ポケットサイズになる

6/6
前へ
/63ページ
次へ
「どうすんのよ!」 「と、とりあえず未練!未練を晴らそう!な!」 宥めようとしても嫁の怒りは止まらない。 しまいにはつけていた幽霊のトレードマークである三角巾的なあれを床に叩きつけた。 「未練なんて思いつかないわよ!」 「そうですよね!だって俺に半ば強制連行されただけだもんね君!」 ここまで怒り狂う嫁見たことないぞ……。 もしかしたら下手したら呪い殺されるとかあったりなかったり……? 想像するだけで怖い。 「落ち着こう?ね?祟り神になっちゃうよ?」 「悪霊じゃないんかい!」 「たしかにそれもそうだな。」 でも悪霊飛び越えて神様に大出世……だと?よきかな。 嫁が神様とかすごい設定になるけども。 ああ、どうしよう。 どうやら俺は相当疲れているらしい。うん。 「って、そんなことはどうでもいいのよ!とにかく私は成仏がしたいの!ていうか最早それが未練!」 そう言われても、成仏するには未練を晴らす必要があるし。 どうしたものか。 突き刺さるような嫁の視線を浴びながら俺はたっぷり3分考えた。 「じゃあ、未練がわかるまで俺のスマホにいればいいよ。」 俺の嫁、ポケットサイズになりました。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加