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「どうすんのよ!」
「と、とりあえず未練!未練を晴らそう!な!」
宥めようとしても嫁の怒りは止まらない。
しまいにはつけていた幽霊のトレードマークである三角巾的なあれを床に叩きつけた。
「未練なんて思いつかないわよ!」
「そうですよね!だって俺に半ば強制連行されただけだもんね君!」
ここまで怒り狂う嫁見たことないぞ……。
もしかしたら下手したら呪い殺されるとかあったりなかったり……?
想像するだけで怖い。
「落ち着こう?ね?祟り神になっちゃうよ?」
「悪霊じゃないんかい!」
「たしかにそれもそうだな。」
でも悪霊飛び越えて神様に大出世……だと?よきかな。
嫁が神様とかすごい設定になるけども。
ああ、どうしよう。
どうやら俺は相当疲れているらしい。うん。
「って、そんなことはどうでもいいのよ!とにかく私は成仏がしたいの!ていうか最早それが未練!」
そう言われても、成仏するには未練を晴らす必要があるし。
どうしたものか。
突き刺さるような嫁の視線を浴びながら俺はたっぷり3分考えた。
「じゃあ、未練がわかるまで俺のスマホにいればいいよ。」
俺の嫁、ポケットサイズになりました。
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