出会い

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優しさに触れたい、そう思ってセイラは仕事の合間ベレペルソナを訪れた。繁華街の一角隅にベレペルソナはある。淡いオフホワイトの店内には照明がいい感じに灯っていて鏡張りのどこでも姿を映せる店には男性2人の店員が忙しげに働いている。1人は紫色の髪の少し女性ぽいスタイルの人、もう1人はスーツでバシッと決めた長身の男。いい感じににこやかで入りやすい雰囲気だ。マネキンは三体あって黒のタートルネックにロングスカートとブーツ、もう一つはピンクのセーターからマキシ丈のスカートをはいている。最後の一つはグリーンのタイトスカートに黒のタイツで赤のピンヒールを履いていた。赤、セイラの好きな色だ。店内に入るとカランコロンと心地いい風鈴の音がした。いらっしゃいませの挨拶が爽やかだった。 セイラはクレジットカードをにぎりしめ、次の指名まで1時間あるなと思った。迎えの車を手配してから、ベレペルソナでゆっくり物色しようと決めた。胸が久々にときめく。欲しいものはいっぱいあったが、寒くなってきたこの頃のためにセーターを買いたいと思っていた。
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