海を忘れて

1/5

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
この景色を見るのは何年(いつ)ぶりだろうか 広くどこまでも続いていく空がずっと、もっと広がっていくような、真っ青な海 その海を忘れたくて、私はずっと遠く、海が見えない場所で暮らしてきた 事実、海のことを忘れていたのかもしれない 今日が自分の誕生日であることを思い出し、そして、海のことを思い出したのは、ただの偶然か・・・それとも・・・ なんて、考えると少し怖くなる。 だから考えるのをやめるために海に近づいた。 海に近づくと、まるでそれしか音がないように不規則に波の音が鳴り響いて、まるで、母の腕の中で寝てるような、懐かしさでいっぱいになる。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加