アイスクリームと雪男

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『雪男』 それが、彼につけられたあだ名。 夏でも、手がひんやりと冷たい。 誰に対しても、そっけなくて冷たい。 人を寄せ付けないし、近づこうともしない彼は、今こうして 「……あ゛ーーーー?んー…?」 「ちょっとー…まだ?」 アイスクリームの自販機で、悩んでいた。 学校が午前中で終わる毎日。 放課後、彼とアイスクリームを食べるのが習慣となっていた。 場所は、学校から少し離れた駄菓子屋。 そこにアイスクリームの自販機がある。 校則で買い食いは禁止されているが、皆見ていないところでやっている。 ここもたまに、生徒がお菓子やジュース、アイスクリームを買いに来るが、ボロボロの店の為か、あまり人は来ない。 だから、私と彼の秘密の場所に等しかった。
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