アイスクリームと雪男

3/4
前へ
/4ページ
次へ
しかし、今日はあの駄菓子屋には行けない。 風邪を引いた。 意外と熱が高くて、意識朦朧としていた。 学校に無理に行こうとして、ベッドに縛りつけるように寝かされ、今に至る。 嫌だな、私、あついの嫌いなのに。 更に苦しいなんて、拷問もいいところだ。 暑さにうなされ、なかなか眠れない。 頭にのせられていたタオルが、生ぬるくて気持ち悪い。 取り替えようにも、動く程の気力が無い。 辛い。 あつい。 あついのは嫌。 あつい思いは、したくないのに。 ……アイスクリームが食べたい。 その時、ひんやりとした何かが、額にのせられた。 涼しい。 気持ち良い。 そして 「つ……めた、い。」 お母さんが、帰って来たのかな。 でも、タオル……じゃないよね? 何だろう。 覚えがある。 まぁ、いいか。 待ちに待った睡魔が、やって来た。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加