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「あの、ありがたいのですが、シャワーは帰ってから浴びるので大丈夫です。電車もそのうち動くと思うので。そしたらタクシーも空きが出ると思うのでそれ乗って駅まで・・・。」
「・・・。」
───彼女一人暮らしだけど、家遠いよな・・・タクシー空き出るか?駅行って電車動いても混んでてすぐは乗れないし、乗れても何本も電車詰まっててなかなか進まないとかじゃないか・・・?
「本当にすみません。せっかくの金曜日の夜、お邪魔しちゃって。」
「・・・家まで帰る途中で、びしょ濡れだったから連れて帰っただけ。あのまま素通りしてたら逆に気になって落ち着かないし。」
鈴太郎は目線を合わさずに言った。わざとそっけない感じで言ったのがよくわかった。
「・・・。」
───どうしよう、私今、どんな顔してるんだろう。
顔がぞわっとして熱くなっていた。
「・・・とにかく着替えろよ。風邪ひく。ドライヤーとかブラシとか好きに使って。ハンガーは洗面台の下に入ってるから、濡れた服風呂にかけといて。」
「・・・はい。ありがとうございます。」
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