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「!?!?!?・・・」
───いつも的確なことを言う葉吉さんが、そんなめちゃくちゃなこと言ってまで心配してくれるんだ。なんて部下想いなんだろう。それか、私が大人として頼りない感じだからか・・・。
「な?」
彼女を見つめる目に力を込めて念を押す。
───ひどいな、俺。必死過ぎて自分に引く。もっと気の利いた言い方なかったのか・・・。でもこうでもしないと彼女は聞いてくれなさそうだ。
「・・・えっと、あの・・・その、で、では、お言葉に甘えて・・・。」
衣緒は俯き、消え入りそうな声でなんとか言葉を絞り出した。
───もう、出来るだけ何も考えずにいるしかない。
「よかった。じゃあ、新商品開発の為、前のカタログとか雑誌も見てみよう。出してくるから待ってて。」
鈴太郎はホッとして立ち上がった。
それから二人はカタログや雑誌を見ながら、新商品を考えた。
もちろん実際に仕事のミーティングをしているわけではなかったので、カタログで雑貨を見てあれこれ話すのは楽しかったものの、段々眠くなり二人とも口数が減ってきた。
「・・・眠いな。」
「・・・はい。」
時計を見ると2時過ぎだった。
「寝るか。」
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