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「!!!!!!!!!!」
「!!!!!!!!!!」
二人同時に驚いて固まったが、鈴太郎が先に口を開いた。
「・・・起きてたんだ 。」
「・・・初めてのところではいつもより寝付くの遅くなります。いつもは10秒以内に寝られます。・・・朝もパッと起きられるので、履歴書の特技の欄に『早寝早起き』って書きました・・・。」
衣緒はあまりのことに彼の顔を見ることが出来ず、寝返りをうってうつ伏せになり、ドキドキする心臓を押さえながら言った。どうしても触れられた場所に意識が集中してしまう。
「ごめん。涙がついてて・・・。」
彼女は背を向けたまま頭をふるふると横にふった。
衣緒が床の方を向いていることは鈴太郎には好都合だった。彼自身、自分が普段しないような表情をしているのがわかっていたからだ。
「・・・俺寝るから。」
鈴太郎はそう言って衣緒に負けない早業でソファに行くとそこに寝そべった。
「ちょっと、待ってください、ちゃんとベッドで寝てください 。狭そうです。」
そう言っても聞かないので衣緒は起き上がるとソファに駆け寄り、彼の手をつかんで引っ張った。
「お願いですから、寝室に行ってください。」
それでもなお鈴太郎は動かないでいたが、彼女は諦めず手を引っ張り続けていた。
───さすが粘り強い。ていうかあんまり長い間手触るなよ・・・。気持ちがざわざわしてきちゃうだろ。
鈴太郎がたまらず手を動かして離すと、衣緒はその拍子に後ろにあったローテーブルの方に倒れてしまいそうになった。
とっさに重心を前にすると鈴太郎の上に倒れ込んでしまった。
「!%☆〇!■&!」
Tシャツ越しに彼の体温を感じた。細身の見かけによらずしっかりとした胸板だった。
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