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「なんだよぉ!ニヤニヤしてないで教えろよ。」
真中は嬉しそうな笑みを浮かべる新貝を肘でつつく。
「休憩室につまようじ置いてありますよね。」
「おお、あの透明の花の入れ物に入ってるやつだろ?俺よく使ってる。」
「あれは入れ物も中身も彼女が個人的に用意してあそこに置いてくれているものなんです。」
「え!?あれ、普通に経費じゃないの!?彩木さんの実家ってつまようじ屋さん!?」
「違うんですよ。お弁当買うと割り箸がついてきて、そこにつまようじがついてくるじゃないですか?でもそれを使うのって歯に食べ物が詰まった時だけで毎回使うわけではないですよね。彼女は使わなかったつまようじをあそこに入れているんです。」
「へえ!それはなんていうか、エコだな。」
「彼女も毎日お弁当買ってる訳でもないみたいですけどね。何本か貯めたのを補充してるところに遭遇して話したんです。俺、今まで恋愛と結婚は別だと思ってたんですけど、なんかそれ聞いて初めて結婚まで意識しちゃったんです。自分でも変だと思うんですけど。料理上手な彼女とつきあってたことだってあるのに。それまでは彩木さんのこと、ただいい人だなと思っている程度だったんですけどね。」
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