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「ほほー!このチャラ男に結婚まで意識させるとは彼女ああ見えて魔性の女ってやつだな!残業の時、うちのチームにまでお菓子配ってくれるしな。あと複合機の調子悪くなると気づいて手伝いに来てくれるし、いい子だよな。確かにいい奥さんになりそうではあるな。うちの嫁さんには負けるけど。わははは!」
「でも、ランチ誘って振られちゃいましたけどね。昼休みは勉強するんですって。先週までは休憩室で玉川さんと食べたりしてたのに。」
「お、おう・・・前途多難だな。」
「大丈夫です。まだまだこれからですから。」
新貝は余裕の表情を見せる。その瞳には恋の炎が見えるようだ。
「はあー若いっていいなぁ。それにしても彼女の好きな人ってどんな男なんだろうな。やっぱり浮世離れした・・・なんかタイムスリップしてきた武士みたいなやつだったりして。」
真中が笑いながら言うとドアから鈴太郎が顔を出した。
「ここ、もう終わってる?空いてたら使いたいんだけど。」
「おー、ヨシリン!今大事な確認作業が終わったとこだよ。どうぞどうぞ。」
「お疲れ様です。」
真中が言いながら立ち上がると、新貝もそれに続いた。
二人が出ていくと、鈴太郎は思わず新貝を見つめてしまっていた自分に気がついた。
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