お祭りびより

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午後、複合機コーナーでスキャンをしていると隣の複合機に新貝がやって来て声をかけてきた。 「お疲れ様です。」 「お疲れ様です。」 そう返すと彼は少しこちらに近づいていたずらっぽく笑いながら言う。 「今日は図書館行かなかったですけど、俺のこと考えちゃいました?」 「!!!」 「あ、図星?嬉しいな。」 顔がぱあっと明るくなる。思わず見とれてしまった。 ───この素直で真っ直ぐな感じ、玉川さんと似てる。二人はうまくいくと思うな。 「ご飯、昼がダメなら夜はどうですか?」 「えっと・・・。」 「俺は今日でも大丈夫ですけど。」 「今日はちょっと・・・。」 「あ、ていうことは別の日なら行けるってことですね!」 「え・・・。」 「店、探しておきます。」 「あの・・・。」 ───ど、どうしよう。 「あ、今日の用事ってもしかして好きな人と?」 「!?!?」 「そうなんだ。彩木さんて何を考えているかわかりにくいようで、意外とわかりやすいですよね。」 「あ、あの・・・。」 「かなり好き。そういうとこ。」 「!!!」 オフィス内でサラッと『好き』なんて言われドギマギしてしまう。 「大丈夫ですよ。邪魔したりしませんから。」 「や、そんなこと思ってな・・・。」 「あと・・・」 新貝は自分が使っている複合機を離れ、隣に並んでくる。 複合機コーナーはフロアの隅にあり、デスクが並ぶスペースとは壁で仕切られていて、衣緒は一番奥の窓際の機械を使っていた。
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