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あとがき
まいどご訪問を頂き、ありがとうございます!(><;)
本作は、ナツイチ小説大賞に応募するために書き下ろしたものです。
ナツイチのテーマが『青春』か『ミステリー』なので、「だったら2つを合体させてしまえ」というのが、本作の趣旨でありました。
当初はイケメン風味な主人公が「じっちゃんの名にかけて」的な作品を目指すつもりだったんですが。
どういう訳だか『イケメン』って動かすのが難しいんですよ(_ _;)
多分、私に縁の無い話だからでしょう。
あと、主役を最初から完成品である万能イケメンにしてしまうと『青春』的な『主人公の成長』が描けないという問題もありましたし。
『不健全な身体の成長』を捨てて『健全な心の成長』を取るという対比にするためには、少々不甲斐ない方が使い勝手がいいのです。
そこで急遽、『水戸黄門作戦』を取ることに。
水戸黄門も、主役のクセに番組ラストで『カッカッカッ!』と笑うだけで、大した仕事してないですからね。むしろ「もう少し様子を見ましょう」とか言って日和った挙げ句に事件が拡大しているような……ゲフンゲフン。
なので、『香坂』が黄門様よろしく『振り回される役』で、実働部隊の助さん格さんを『コガラ』と『ミサキ』に任せる配置をしてみました。……少しズレている『アカネ』は『うっかり八べえ』でしょうかね(^^;)
作品途中でどっちが主役が分からないほどにご愛顧を頂いた『コガラ』は、設定した『小柄』という名前がコガラと読める事から、小柄なキャラにしました。
どちらかというと周囲に気を遣うタイプの主役に対し、全く空気を読まずに言いたい事をそのまま言うキャラにすることで双方の個性を際立たせる作戦です。
そして、同様に大人の立場から事件を動かす役割を持つ『ミサキ』は、これと対比させるために大柄に設定し、それ故、大雑把なキャラ付けをしています。
本編が冗長になるので割愛しましたが。
香坂が『ロリ■ン』だの『DV男』だのと散々に言われる原因は、犯人サイドにいた『キョウカ』の仕業です。
オトコよりカネに強い興味を持つキョウカは、遠藤という彼氏……というか『将来の金蔓』の後継者として、香坂をロックオンしていました。
何しろ彼女は香坂が将来に大化けする事を『知っている』のですから。
ところが、此処で思わぬ伏兵が現れます。
そう、コガラの存在です。
それとなく香坂の様子を伺っていたところ、コガラと急接近していると。
そこで、どうにかこの二人を別れさせるために、悪評をバラ撒いていたわけです。と同時に、他のライバルから遠ざける煙幕を張る目的もありました。そう、実は『香坂』という青年はとある読者様が看破されたように『隠れモテ男』なのです。
この手法は、主将である堂上のカノジョが用いた方法と同じものです。
作品中の『WSADA』という組織は、国際アンチドーピング委員会の『WADA』をもじったものです。
同一の名前を使ってしまうと、組織構成や職務分掌まで現実世界に引っ張られてしまうので使い勝手が悪く、『架空の組織』としました。
作中に出た『遺伝子ドーピング』は、実際にWADAが技術的目処が立たないうちから『禁止』としたものです。しかも、現実に検出は不可能だとか。
昔、私の親が『人が多く殺される推理小説は苦手』と言っていたのが頭にあったので、被害者は最初から『ひとりだけ』と決めていました。
しかし、これは意外と大変で『間が持たない』んですよ(^^;)しかもナツイチは10万字制限ですし。字数とイベントを検討している段階で、どうしても1万字ほど不足する感じになってしまい、そこを埋めるためにコガラには誘拐されてもらうことにしました。
忙しい中、コガラとミサキのキャラを描いて頂いた『ど~はん』様に、深く感謝申し上げます。m(_ _)m
なお、本作が応募するナツイチは最終選考が『縦書き』で行うとアナウンスされているので、『それに残る』という過大な期待をもって、数日中に縦書きアジャストの校正に入る予定です。なので、横書きだと行間が狭くなったり平仮名が増えたりと見難くなるかも知れません。ご容赦を(_ _;)
このストーリーを思い立ったキッカケは、私の勤め先で『会社からは評価されないが、実は彼らがいないと組織に不都合が出る』という影の立役者たちが多く居る事を考えていたからでした。
どうしても、エースやスーパーマンばかりが注目されますが、例えばアカネのような『モブ』に近い人間が、仕事の隙間を埋めていたりするものなんです。
そして、そんな彼らには『上』を目指す事は似合いません。
ですから、ミサキは最後に言うのです。
「さぁ、『前』を向こう」と。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
(><;)
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