やらない方が良いこと

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 ①バッドエンドが当たり前のジャンル  ホラーやサスペンスなどですね。特にホラーは主人公が不幸になってなんぼなストーリーでもあるので、安心して最凶のバッドエンドを叩き込みましょう。  ②伏線がしっかり張られている  例えば、故手塚治虫先生のあの名作・火の鳥は未来編とか太陽編とか分かれていますがその大半はバッドエンドです。でもそれに文句を言う人はいません。  何故かと言うと、ああ、この作品は多分最後に主人公死んじゃうんだな、とか全滅するんだなと読んでいる読者がわかるようになっているからです。  大体中盤から終盤にかけてバッドエンドのオーラが出てきます。幸せオーラとかハッピーエンドオーラを出しません。ある意味①と同じですが、読者に予測出来るようにします。  これを言うと読者の予測の付かない話を書きたい! 読者に先を読まれる話は二流とか言う人がいますが、明・確・に・間違っています。誰かの名言ですが『予想は裏切ってもいいけど、期待は裏切ってはいけない』のです。  読者の度肝を抜きたいという作家のエゴのために、長時間付き合って読んでくれた読者の気持ちを台無しにしてはいけません。  単に予測不能な話を書きたいなら、道を歩いてる時に唐突に主人公が転んで死ねば良いのです。  しかし、そんな話は果たして面白いでしょうか? かえって手抜きではないですか?  予定調和のエンディングであったとしても、そこに至るまではけして予定調和ではなかったはずです。  なので、ハッピーエンドはつまらないとか芸がないとか考える必要は一切ありません。物語のエンディングとはそこまで付き合ってくれた読者に贈るプレゼントです。  あなたの書ける最高のハッピーエンドを書いてください。   ③バッドエンドとも言い切れないエンド  それでもハッピーエンドは単純で嫌だというあなたへ送る第三の選択肢がこれ。  完全無欠なハッピーエンドではない。でもバッドエンドって言うほど酷くもない。そんなエンドです。「ほろ苦エンド」とでも言えば良いでしょうか。メリーバッドエンド、略してメリバと呼ばれたりもします。  このエンドにする条件は、ラストで主人公が前向きな気持ちでいることです。私のとある作品もラストに主人公が死にますが、やるべきことを全てやりきって謎も解決して納得して安らかに死んでいます。  失敗や失恋で終わってもいいですが、必ず主人公は最後に前を向かせてください。  例:  魔王を倒したけど、エネルギー供給がなくなって人類滅亡の危機  →今までだって人類は何度も危機を乗り越えてきた。力を合わせることを学んだ人類に超えられない壁はない!  憧れの先輩と付き合えたけど二股が発覚して破局!  →それまでに得た友情や成長を思い出し、恋愛が人生の全てではないと悟ったヒロイン。先輩をぶん殴って開き直る。  こんな感じで、可能ならラストは新しい一歩を踏み出すシーンで終わりましょう。要は読後感を悪くせず終わらせることが大切です。  または、  人の負の心で出来た魔物を、力を合わせて無事に倒した!  →しかし、我々が正しい心を持たなければ、また彼等は現れるかもしれない……。  このように、基本はハッピーだけどちょっとだけ釘を刺すエンドとかですね。
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