ねえ、こっちを向いて

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 ミルクのじかんがおわって、ママがはるこをねかしつけているのを、ぼくはちかくで見ていました。 「ねえ」  ママが、パパに声をかけました。 「なんだい」 「この子……秋也に似てるわねえ」  あきやはぼくの名前です。ぼくはむきになって叫びました。  にてなんかない! こんなおサルみたいな、ネコみたいな、ウシになっちゃうような妹に、ぼくがにている? そんなわけない! ぼくははるこなんかよりずーっとおりこうだよ!  パパもおどろいているみたいな顔をしていました。 「はは……そんなわけないじゃないか。第一、春子は女の子だぞ?」  ほら、パパだってそう言ってるじゃん。でもママは、まだそう思っていない感じでした。
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