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「そう気を負いすぎるな。お前の所為じゃない」
「でも……」
「あれは仕方ない事だったんだよ、もう忘れるんだ」
「でも、でも……私、春子を産んでから、どうしても思い出すのよ。抱き上げた時のあの感触……あの甲高い泣き声……いつも見せる表情の全てが……」
「やめろ」
「あなた、感じないの!? 全部、全部、秋也にそっくりじゃない!」
「やめろ! あの子は春子だ! 秋也じゃない!」
「いつも思い出すの……秋也を抱き上げて、池に落としたあの時の事!」
「……仕方ない事だったんだよ。なあ?」
「私、春子を見ていると、どうかしちゃいそう。あの子にまで、手を掛けてしまいそう……!」
「落ち着けよ。大丈夫、俺がいるから。二人で決めたじゃないか。今度こそ、春子をしっかり育てるって」
「うん……うん……うわあああ……」
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