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そんなことを思っていると、僕の頭が撫でられた。
優しく、包み込むように。
その手の方を見ると、そこにはさっき君を連れて行った少女が。
少女が何をしたのかなんて僕は知らない。
僕の大事な君を連れて行った少女は、僕にとって“敵”なんだ。
なのに僕が少女に敵意むき出しでいたら、君がとめた。
「彼女が僕を救ってくれたんだよ」
君は静かにそう言った。
まだ無理したらダメなのに、君はそれを僕に伝えた。
僕はもう彼女を敵に見ることをやめるよ。
だって、僕は何よりも君が大事だから。
僕は少女に背を向けて、君をまた抱きかかえた。
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