貴方だけは、

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貴方を知ったのは、いつ頃だったかしら。 …そうね、だいぶ前のこと。 あの時は、好奇心しかなかった。 どんな人なんだろう。 そんな、軽い気持ち。 黒い服装がよく似合う人だと聞いたわ。 出会う時は大体独りで、まるで一匹狼のようだと言っていた人もいた。 次から次へと動き回り、仕事の早い人らしいわ。 しかもギャップもあって、狭いところが好きだとか。そういう所に入ると、落ち着くの、分かるわ。 暗いところも好きらしいわね。 たぶん、夜景の似合う素敵な方なのでしょう。 けれど、人だもの、弱みはある。 彼はすぐ弱ってしまう人らしくて。 いつ、いなくなってしまうのか…はっきり、分からないそう。 貴方を苦手だと言う人もいた。 だけど私は、それを信じなかった。 不思議と、魅力的な香りを感じたのよ。 貴方を一目見てみたい。 貴方に、会いたい。 そんな、微かな想いはいつしか大きくおおきく膨らみ……。 …ついに、出逢えたの。
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