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それから三日後、ついに一人暮らしが始まる。すべての荷物を運び終えた頃には日が傾いていた。
「ふう、やっと終わった。」
部屋の真ん中で大の字寝転ぶ。一人暮らしってどんな感じなのだろう。想像できない。まあ何とかなるだろう。
そんなことを考えいると呼び鈴が鳴った。自分に会いに来る人などいないし、親は荷物運びを手伝い先ほど帰っていた。 ドアを開けてみると黒い眼鏡をかけた長髪の女の子が立っていた。
「高杉蒼生さんの家で間違いありませんか?」
「あ、はい。」
よくよく見ると近所の高校の制服を着ている。
「隣の部屋の方ですか?」
彼女は少し微笑んだ。
「いいえ、違います。一つ提案をするために来ました。私が三つ何でも『願い事』を叶えるので、」
そこで一度言葉をきり、少し大きくはっきりとした声で言った。
「命をください。」
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