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友達に戻ろう
創司くんと夫婦になり、お盆休みに名古屋に就職した大学時代の友人達に報告を兼ねての飲み会が開かれた。
わたしが企画したわけでなく仲良くしてる女友達が店を予約し人を集めてくれた。
「愛理、結婚おめでとう。トミタのパワートレイン制御システム課の課長を射止めるなんて凄いよ!!」
12人が集まってくれて、名古屋駅横の創作料理居酒屋でわたしと創司さんを囲って祝ってくれる。
遥希と仲が良かった遥希と交流会名目で合コンをしていたメンツもいて、少し気まづかったけれどわたしの隣に創司くんがいたから笑っていられた。
「藤宮……でなく、瀬川愛理、あのさ、お前にお願いがある」
飲み会が始まって1時間が経とうとした時に、遥希の親友の和田くんがわたしに話かけてきた。
「あのさ……遠野の事を許してやってくれないか。あいつ、おまえとの婚約がうまくいかなくて両親からも勘当され塞ぎこんでる。あいつがやった事は最低な事には違いない。それはわかってる。でもさ、俺たち、ここにいるメンツは京都大学で6年間一緒に学んだ仲間だろ。恋人としては破綻しても友人に戻って、これからもこのメンツで仲良くしていきたい」
遥希と別れてから、わたしは遥希がどうしているか気になってた。
10年も一緒にいたのもあり恋人としては破綻しても、不思議な事に嫌いにはなれなかった。
たぶん、わたしは遥希の事を恋人としてでなく友達としてずっとみていたからだと思う。
わたしが創司くんの方を見ると、創司くんはわたしの頭にポンと手を置く。
「俺に気を使わないでいい。愛理が俺の事しかみてないのはわかってるから」
創司くんがそう言ってくれたから、
「遥希と友達に戻りたい。だから、和田くん、仲を取り持ってくれる?」
わたしは遥希と会って、友達として付き合っていこうと思った。
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