かなわない

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かなわない

 優子の手紙を思い出す。 『わたしは、もう。お母さんの知っている、わたしじゃない。お母さんに愛される資格がない。髪の毛一本、指先すらも。前のわたしとは違う』 「だから、なの?」  優子。あなたには、かなわない。  こんなに大きな、復讐を用意していたなんて……。 「優子……。会いたいよ……」  たとえ人を殺したって、優子とわたしは、親友なんだからね?  後日、心配した母の提案で、わたしは転校が決まった。  さやかは、兄の事件もあって、憔悴(しょうすい)しきっていたし、わたしもそれ以上、追い詰める気はなかった。
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