9人が本棚に入れています
本棚に追加
初盆
引っ越して初めての、夏がきた。
新しい生活に馴染むのと、友達を作る事に精一杯で、優子のお焼香に行けない日が続いていた。
今年は、優子の初盆だ。母は反対するだろうけれど、行きたいと思う。
そんなとき、優子のお母さんから手紙が届いた。
「美月ちゃんへ。
今回の事はすべて、優子を思っての行動だと、理解しているつもりです。本当に、ありがとう。
優子の母、よし子より」
わたしの、わたし達の復讐は、終わったんだ。
優子が、あの子がいなくなった。
止まった時間が、動き出すのを感じる。日差しがジリジリと皮膚を刺激して、今日は暑いんだと、気づいた。
最初のコメントを投稿しよう!