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電話が
「大丈夫だった?」
帰宅してすぐ、母の心配そうな声。わたしは母を安心させようと、大きな声で「大丈夫」と答えた。
何が大丈夫なのか、自分でもわからないのに……。
部屋に戻り、ベッドにうつ向けで休む。
「ご飯はー?」
母の元気な声に、返事すら返せぬまま。わたしは、ただただ泣いた。
優子の居ない生活が、これから、わたしを待っている。それが、こんなにも悲しいなんて……。
優子。あなたは、知らないでしょう?
学校は3日間、学年閉鎖だって。たった3日で立ち直れるほど、わたしは強くなんてないのにね。
「美月、電話よ!」
母の慌てた声がする。家に電話をかけるほど親しい人は、あまり居ない。
居たとしても、ケータイは持っているし。
のそのそとベッドから降りようとしたとき、母がノックもしないで部屋に入ってきた。
「優子ちゃんの、お母さん」
母の顔は真っ青だ。さっきまでは空元気だったのだと、今更、気がついた。
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