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那迩と和也が企てていた事。
それは…。
「ワニじゃよ。」
「ワニ?。」
「うん、今ね、おっきなワニが…もくげき?、…されてるんだって!。」
「デカいワニと言っても、ワニがデカいのは当たり前だろ。」
「なんとビックリ、10メートルはあるそうじゃ。」
「かぁぁぁー……!。」
那迩の言葉に守行だけでなく、美紀や美紀の両親も口を大きく開け、ビックリした顔になる。
「見つけたら写真とらなきゃ!。」
「そうじゃなそうじゃな、うんうん。」
「いくら孫が可愛いからって……。」
「ん?。」
「限度が過ぎるんじゃねぇのか親父!!。
そんなのいるはずも無いだろうが!、もし!、仮にいたとしても危険だろうが!。」
「……そんなに怒鳴らなくても聴こえるわい。」
那迩は指で耳をほじるようにしてふて腐れ始めた。
「親父!。」
「おとうさん!、そんなにおじいちゃんを怒らないでよ!、僕がおじいちゃんとインターネットで調べてたら出てきたからさ、きょうみがあって探してみたいっておじいちゃんに話したのがげんいんなんだからさ!。」
和也は涙目で那迩が悪くないと、必死に守行に言った。
「か、和也、ワシのために…、なんて可愛いんじゃ和也!。」
「アンタはアンタでほんと…、孫馬鹿め。」
「なんじゃとぉ?。孫が可愛くて可愛くて、なにが悪いじゃぁ?。」
「あ"ん?。」
二人の睨み合いに和也と美紀が必死になって喧嘩を止めに入るが、小さいからか、なかなか思うように止められない。
「では勝負しようではないか守行。」
「いいだろう、挑むところだクソ親父。」
「く、クソじゃと?!。
くぅぅッ!、和也もよく聴きなさい?。
見事、巨大ワニの写真を撮ることが出来たらワシの勝ち。
じゃが、その存在が証明されず、写真を撮れなければお前さんの勝ち。
期限は現地滞在出来る限りとする。
敗者は勝者の言うことを何でも1つだけ言うことを聞く。
どうじゃ?。」
「やってやろうじゃねぇか。
その勝負、受けてたつ!。」
かくして、思わぬ勝負が開始する事となった。
「(じゃぁ、捕まえたら僕の勝ち…。)」
そんな中、それを聞いた和也は不適な笑みを浮かべ、心の中でその勝負に参戦を表明していた。
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