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第二章 得たいの知れぬ巨影
「ワアァーー!。」
目をキラキラとさせながら、和也と美紀が今にも落ちそうな程に車から身を乗り出して外を眺めている。
二人がいる場所は。
アフリカ、コンゴ共和国。
守行に連れられ、二人はアフリカにやって来た。
日本からコンゴまで約20時間以上と時間をかけ、何度も飛行機を乗り換えてようやく到着。
守行達は疲れた表情をしているが、子供二人は疲れが吹っ飛んだようにはしゃぎ回っている。
空港の入口で現地ガイドと、ボディーガードをしてもらうことになった男達数名とも合流し、車で目的の場所へと走る。
空港から出てからしばらく走り続けて数時間、横では野生のヌーの群れが走り、キリン、ジャッカル、ガゼル等が見える。
「スゴイ、スゴイスゴイ!、やせいのどうぶつがイッパイ!。」
「おじさんありがと!。」
二人のそのはしゃぎ様を見て、守行は連れてきたかいがあったと言える程、守行も笑顔で一緒に野性動物を観察をしていた。
メンバーは守行、和也、美紀、哲哉、そして手練れの部下を五人。現地ガイドが一人。ボディーガードだが、彼等は反政府組織の人間。だが、そのリーダーは昔、那迩に助けてもらった事があるとかで、その御礼の1つとして数名付けてくれることとなった。
彼等が向かう先は、コンゴ共和国で最も危険とされる場所。
和也が見たいと言っていたワニが目撃された場所へと向かう。
「んで。ソイツはデケェのか?。」
「ハイ、オッキイ、トテモ、オッキイ。」
現地ガイドはそのワニが本当に大きいと語る。
「ワタシノ、アニ、タベラレタ。」
「…目の前でか?。」
するとガイドは怯えた顔で何度も頷く。
「そいつの名は?。」
「…“マハンバ”。」
その名を聞いた和也は、満面の笑みを見せながらマハンバがいったいどんなワニか説明を始めた。
「みかくにん生物マハンバ、大きさはだいたい15メートル。でんせつのワニだけどみかくにん生物だからあんまりじょうほうがない。」
「…それ、爺ちゃんとインターネットで調べたのか?。」
「うん!、そうだよ?。」
「(あのクソジジィ…、和也が動物の中でも爬虫類が特に好きだってことを知ってて、余計な事を吹き込みやがって…、なに考えてんだ!。
みろ…、あんなに目を輝かせてやがる。)」
和也の目がこれでもかと言わんばかりの輝きを放っている。
守行が怒る理由、それは。
「(爬虫類の事になると我を忘れて暴走するからなぁ…。絶対頭の中では捕まえたいって考えてる筈だ、だからと言って、じゃぁ別の場所に行こうと言えば怒って暴れる…。
本当にそんなのがいたとしても、近付かないようにして、写真だけで我慢してくれりゃいいんだが…。)」
守行の勘は当たっていた。
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