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第一章 同じ日に
ーー日本 東京
12月25日。この日、朝から珍しく東京では雪が降り積もる。
どこもかしこもクリスマス一色で人々が賑わいを見せている。
そんな日の晩の事である。
21時15分。この時、誰も気付く事無く、空では二つの流れ星が上空を流れる。そして同時に同じ時間、同じ病院で二人の男の子がそれぞれ産声をあげた。
一人はヤンチャな性格に育つのではと思う様な、元気に泣き叫ぶ男の子。
もう一人は産まれた時からビックリする程泣かず、ただ静かに周りをキョロキョロと観察する男の子だった。
お互いの両親は、二人がほぼ同時に産まれた事を知るや否や直ぐにうち解け合った。
それから数日後、二人の名が決まる。
元気に泣き叫んでいた男の子の名は“早瀬憲明”。
産まれた時から今だ一度も泣かない男の子が“八城和也”そしてこの時、憲明の両親は知ることとなる。
それは和也の両親。父親が日本だけでなく世界中の裏社会から恐れられる、“ヤクザの若頭”であることを。
しかし、憲明の両親は和也の父親が例えヤクザであったとしても、二人は受け入れた。
憲明の両親は和也の父親の人柄に、ある意味惚れたのだ。「ヤクザなんだろうけど、ヤクザじゃない。ただ顔が恐い人。」そう言って憲明の父親は笑って受け入れた。
和也の父親はそれを聞くと苦笑いし。憲明の両親をその晩、食事に誘うのだった。
憲明、和也。
この二人の出会いから再び物語が始まる。
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