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燦々と
「みのり?大丈夫か?」
そう声を掛けながら、みのりを背中に担ぐと、
あまりに軽いのに驚いた。
痩せたか? まさか、俺の所為とか…。
背中のみのりは、すやすやと寝息をたてている。
ホテルに連れて帰って、ベッドに寝かせ、少しでもラクにしてやろうと、胸もとのボタンを少し外し、ウエストも少し緩めてやる。
久しぶりに見た、みのりの顔。
何、無防備に寝てるんだよ、俺じゃなかったら、どうするんだ?
くそっ……やっぱ、可愛いな。
みんなが、お前を好きになるんじゃないかって、気が気じゃないんだけど、俺は。
不安にさせてゴメンな。
「う〜、み、水〜」
みのりが苦しそうに、呟いていた。
「水か、今 持ってくる。」
水を持って来たけど…、
「みのり、みのり、水だ!飲むんだ、喉が渇いてんだろ?
ほらっ、みのり?」
うっすらと、目を開いたみのり。
「え、瑛太? なんで?」
声が少し、かすれている。
「ん? 心配するな、ほら、飲みな。」
まだ焦点の合わない目だったが、よほど喉が渇いていたのだろう。
みのりは、渡された水をゴクゴクと音を立てて飲んだ。
そして、しばらくぼんやりした後、急に目が覚めたようにハッとして言った。
「瑛太、どうして?どうして居るの?」
「会いに来た。
俺がみのりに会いたいと思ったから、会いに来た。」
みのりが俺を見て、ようやくニッコリと笑ってくれた。
やっとだ。
キラッキラの目をして、俺に笑ったんだ。
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