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食事を済ませた私達は、ウインドウショッピングを楽しんでいた。
いろんな雑貨店が立ち並ぶ一廓に、小さなガラス細工のお店を見つけた。
キラキラ輝くガラス細工はどれも繊細なつくりで、見ているだけでワクワクしてしまう。
しばらく見ていると、小さなガラス細工のうさぎが私の目にとまった。
「かわいい!」
思わず私の顔は綻んだ。
瑛太の長い指先が、目の前の小さなうさぎを、そっと摘んだ。
「これがいいのか?」
瑛太が、優しく私に聞いた。
私がうんと頷くと、
「買ってやる、今日の記念に。」
そう言うと、ガラス細工を持ってさっさとレジに行ってしまった。
そして。小さな包みを私の掌に落とすと、彼はニカッと太陽のような笑顔を見せた。
「瑛太、ありがとう。」
「意外と、可愛いもんが好きなんだな…」
「意外って何?失礼だなぁ〜。
そりゃー私も女の子だから、可愛いのとか当然好きだよ! 悪い?」
子どもっぽい言い方だったかな?そう思って瑛太を見たら、彼は口の端を上げて笑っていた。
ぷーって、膨れたつもりはないのに…
どうやら膨れてたらしい。
瑛太の大きな手が、私の頰をギュッと両手で挟むと、彼が私の顔を覗き込んだ。
挟まれてタコみたいな口になり、慌てた私は、
「な、何ひゅんのよ〜(何するのよ〜)」
「ふっ!ガキだな、やっぱり…」
極上イケメンの涼しげな笑顔が、文字通り目と鼻の先にあった。
もう、もう、心臓がもちません!
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