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「さぁ、帰るぞ!」
へっ?
「何か駅前に用があったんじゃないの?」
「いや、お前を迎えに来たんだけど?」
マジか!お母さんに聞いたのか?
「俺が帰ったとき、冴子さんがちょうどウチに来ててさ、みのりが今日は遅くなりそうだって聞いたから。
遅くなるなら駅まで迎えに行ってやるって言ったんだよ、俺が。
で、迎えに来たってわけ。
ちょっと早めにに来ちまって、さっきの女に捕まって困ってた。」
「ありがとう、瑛太!
もう家に帰ってたのにゴメンね〜。」
「遠慮すんな、女がひとりだと危ないぞ。」
「へー、女だって見てくれてるんだ〜」
「男じゃねーなら、女だろ?
お前は危機感が無さ過ぎだ、昔から。
高校生の頃も平気で遅くに帰って来てたし、冴子さんが心配してたんだぞ。」
「そんなに遅く帰ってた記憶、無いんだけど?
高校何年ぐらい?」
「高2だ、お前に彼氏ができた頃!」
苦虫を噛み潰したような顔をして、瑛太が言うけれど…、
たぶん10時までには帰ってたと思う。
「彼氏いた時も10時には帰ってたよ。
それに彼氏とつき合ったのも、たった3カ月ぐらいだよ。
自分だって、高1から彼女いたじゃない!」
だから、私も彼氏つくったんだ…。
いい人だったけど、どうしても瑛太以上に好きになれなかった。
その後、高3で彼氏ができたけど、やっぱりダメだった。
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