5481人が本棚に入れています
本棚に追加
/145ページ
ピンポーン♪
インターホンが鳴った。
瑛太だ!
小走りに玄関に向かう私の顔は、もう既に泣いていたのかもしれない。
「みのり!」
私の名を呼ぶ瑛太の顔は、今まで見たことのない表情だった。
声を聞いた瞬間、涙がぽろりと溢れ落ちた。
とても自然に、
当たり前のように瑛太が私を抱きしめた。
考えるより先に体が動いた。
私も瑛太にぎゅっとしがみつき、この温もりにずっと包まれていたいと思った。
「瑛太っ、お父さんが… 」
「大丈夫だ! …俺がついてるから。」
たった今、口数が少ない瑛太が…
私が今いちばん欲しい言葉をくれた。
ここぞとばかりに涙が、 後から後から溢れてくる。
何よりも心強く、瑛太がいてくれれば大丈夫だと、心の底から思わせてくれた瞬間だった。
最初のコメントを投稿しよう!