動き始めた時間

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 翌朝、なぜか瑛太とダイニングで朝食を食べている。 今朝、当然のようにやって来て、 「目玉焼きは半熟だ。」 らしい…。 昨夜も遅くに帰って来たし、大変お世話になった自覚はある。 まぁ いいか? 冷蔵庫には、たまごとハムぐらいしかないし、 今日は仕事帰りに買い物に行かないと。 急いで後片付けをして、少し早めの出勤。 でも、車だと楽ちんだなー。 「今日は帰りに、買い物するだろ?」 「えっ、あぁ、ですね。」 「帰り、乗せてやるよ。荷物とか重いだろ? 帰る前に連絡しろよな。」 「瑛太、忙しいんじゃないの?私は、たぶん定時だけど。」 「俺の会社、基本は定時だ。無駄な残業はしない方針だからな。 万が一、残業になるようだったら連絡する。」 「へえ〜そうなんだね、わかった。 じゃあ、帰る前に連絡するね、ありがとう!」 朝から、なかなかご機嫌な瑛太だ。 小さく鼻歌なんか歌ってるー。 帰りも一緒。 なんか、ずっと一緒だ〜。 「ねぇ、これって新婚夫婦みたいだね?」 何も考えずに思ったまま言った私。 鼻歌が止まり、ちらっと隣を見たら…。 瑛太は大きな手で口元を押さえていたが、その耳は真っ赤だった。  その後、母に電話して父の様子を聞いたところ、容態は安定していて、今日も検査と体調が良ければちょっとしたリハビリをする予定らしく、母も喜んでいた。 瑛太に話すと「安心したな。」って笑った。 あぁ その笑顔が眩しい!
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