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晩ご飯は私の大好きなちらし寿司、
ふたりでワイワイ作るのも楽しいもんだ。
短時間でなかなかの出来映え。
ん?
2人分にしては多いよね?
「お母さん、作りすぎじゃない?これ」
「いいの、いいの、
瑛ちゃんちにおすそ分けだから。」
へっ!?
「瑛ちゃん、帰って来てるのよ!
瑛ちゃん 小さい頃、ちらし寿司大好きだったでしょ?
アメリカの会社に就職したって聞いて驚いたけど、やっと日本支社に配属されたんだって、加代子さんも直人さんも、夫婦で大喜びだったわ。
みのり、早く持って行ってあげてよ。」
マジかー、
感動の再会?なんてねっ。
瑛太の家の前で暫し佇む。
立花と書かれた重厚な表札、ウチの家と違って純日本家屋の立花家。
ウチはどちらかと言えば洋風の家で、小さい頃は立花家の広い縁側が大好きだった。
縁側でスイカ食べて、タネ飛ばしとかしたよな、懐かしい。
ピンポーン!とボタンを押すと、
うわぁ〜、レトロななんとも懐かしい音。
遠い記憶の中では、この玄関口に幼い瑛太の姿が浮かぶ、
キラキラした瞳の意志の強そうな面立ちが。
「はーい」
おばさんの声じやなく、低い男性の声。
ガラリと玄関を開けたのは、
うぉっ!
見上げるほどの高身長のイケメンが…
そう、あの頃よりも更に磨きがかかった瑛太の姿だった。
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