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終業後、瑛太にLINEをした。
すると、直ぐに既読になり、
"了解"
ただそれだけの文字に、自然と表情が緩んだ。
そして、会社前で瑛太が来るのを待っていたら、課長が慌てて社屋から出て来て誰かを探しているようだった。
「課長〜、どうかされましたか?」
声をかけると課長は振り返り、安心したように笑った。
「あー良かった、間に合って!今から食事でもどうかと思って。なんか予定あったかな?」
課長、優しいな。
私がひとりで寂しいだろうって、気遣ってくれてる。
「ありがとうこざいます。
でも、今日は買い物とかしないといけないんで早く帰ります。実は冷蔵庫が空っぽなんですよ。」
私は苦笑いをした。
「買い物?つき合おうか?荷物持ち担当で。」
「いえいえ、課長に荷物なんてー!
大丈夫ですよ、幼馴染みが一緒なんで。
もう迎えに来ると…、」
そこへ瑛太の白い車が見えたので、手を振って合図した。
「課長、それではまた明日。
気を遣っていただいて、ありがとうこざいました。」
ペコリと頭を下げてから、去り際に見た課長の顔が少しだけ強張って見えたのは、おそらく私の気のせいだろうと思う。
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