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話がうま過ぎないか?
「え、瑛太っ!本気なの?」
「もちろん本気だ。俺がアメリカに行く前から決めてた。」
「うそ! そんなに前から私のことを?」
「はっきり意識したのは、もっと前だな。
高校生になって、みのりに男が出来た頃だった。
悔しかったよ…
一番大事なもん取られたんだから。
お前は、俺なんて眼中に無かっただろ?」
切なげな目をした瑛太が私を見つめていて、その辛そうな瑛太の顔を見ていると、彼の本気が伝わってきた。
みのりは必死に、首を左右に振った。
「そんなこと無い!私だって瑛太のこと、ずっと好きだった。高校が別になって、瑛太に彼女が出来たと思ってた。
私も前を向かなきゃって…
だから、好きだって言ってくれる人とつき合ったりした。だけど、そんなの間違いだったんだよね?私も瑛太と同じだよ、もっと早くに言えば良かった…。
ずっと、今も昔もずっと…瑛太だけだよ。」
「俺もずっと前から、みのりが好きだ。だから、他のヤツになんか絶対に渡せない。」
「瑛太、私、私、… 」
涙が、後から後から溢れて、
彼の言葉が余りにも嬉し過ぎて…
もう言葉にならない。
そんな私を、瑛太が優しく抱きしめてくれた。
見上げた瑛太の瞳に、私が映っている。
まるで引力に引き寄せられるように、私達はそっと近づいて…唇を重ねた。
最初は羽のように優しく、優しく…
啄ばむように口づけた。
私は無意識のうちに熱い吐息を漏らした。
徐々に、お互いの熱は増していき、
やがては、熱く激しいものに変わっていった。
こんなキス知らなかった。
頭の奥が痺れたようにビリビリとする。
なんだかくらくらして、もうあなた以外のことは、何も考えられなくて…
あなたに包まれて、やっと心が繋がった瞬間だった。
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