告白

2/6
前へ
/145ページ
次へ
 話がうま過ぎないか? 「え、瑛太っ!本気なの?」 「もちろん本気だ。俺がアメリカに行く前から決めてた。」 「うそ! そんなに前から私のことを?」 「はっきり意識したのは、もっと前だな。 高校生になって、みのりに男が出来た頃だった。 悔しかったよ… 一番大事なもん取られたんだから。 お前は、俺なんて眼中に無かっただろ?」 切なげな目をした瑛太が私を見つめていて、その辛そうな瑛太の顔を見ていると、彼の本気が伝わってきた。 みのりは必死に、首を左右に振った。 「そんなこと無い!私だって瑛太のこと、ずっと好きだった。高校が別になって、瑛太に彼女が出来たと思ってた。 私も前を向かなきゃって… だから、好きだって言ってくれる人とつき合ったりした。だけど、そんなの間違いだったんだよね?私も瑛太と同じだよ、もっと早くに言えば良かった…。 ずっと、今も昔もずっと…瑛太だけだよ。」 「俺もずっと前から、みのりが好きだ。だから、他のヤツになんか絶対に渡せない。」 「瑛太、私、私、… 」  涙が、後から後から溢れて、 彼の言葉が余りにも嬉し過ぎて… もう言葉にならない。 そんな私を、瑛太が優しく抱きしめてくれた。 見上げた瑛太の瞳に、私が映っている。 まるで引力に引き寄せられるように、私達はそっと近づいて…唇を重ねた。 最初は羽のように優しく、優しく… 啄ばむように口づけた。 私は無意識のうちに熱い吐息を漏らした。 徐々に、お互いの熱は増していき、 やがては、熱く激しいものに変わっていった。 こんなキス知らなかった。 頭の奥が痺れたようにビリビリとする。 なんだかくらくらして、もうあなた以外のことは、何も考えられなくて… あなたに包まれて、やっと心が繋がった瞬間だった。
/145ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5478人が本棚に入れています
本棚に追加