お久しぶり

4/6
5479人が本棚に入れています
本棚に追加
/145ページ
「おー、久しぶりだな! みのり〜、お前変わんねーな!」 いや、マジ? 変わっただろー? あれから何年経ったと思ってんだ! 少しは女らしくなったよね?私… なってるよ!なってる筈なんだけど… 「久しぶり〜、変わんなくないよ! ここは、『しばらく見ないうちに綺麗になったな〜』とか?感心するとこでしょーが!」 瑛太はニヤリと笑うと、 「綺麗になったな」 と棒読みしやがった! 「相変わらずいい根性してるよね、瑛太、」 なんだか可笑しくなってクスクス笑ってしまう。瑛太相手だと私の怒りは、あまり持続しないんだ。 「久々の日本はどう?」 「アメリカから帰国して、2か月弱かな?久しぶりの日本を満喫中だ。 大学卒業してすぐ向こうだったからな、ほんと久しぶりだな。」 「せめて、お正月ぐらい帰って来ればよかったのに。おじさんもおばさんも康太くんも寂しがってたよ!」 「そうだったよな、 みのりも寂しかったんだろ?俺が居なくて。」 と意地悪な目つきをして言う。 「私も家に、あんまり居なかったから何とも言えないけど、 さ、寂しいっちゃ、寂しかった、かな?」 なぜか疑問形…。 「私たち幼馴染みなんだし、当たり前だよ。」 そこで本来の目的を思い出した。 「あぁ、これ!お母さんが瑛太にって、 ちらし寿司だよ、好きだったよね?」 「おー、悪りいな。 今日は両親ともに留守でさ、 康太とふたりでカップ麺食べるとこだったよ、丁度良かったよ〜、助かる、嬉しい! 冴子さんのちらし寿司、うまいからなぁ。 サンキュ! 冴子さんにありがとうって、言っといて。」 そう言って、にかーっと笑ったワイルドイケメン。 久しぶりの瑛太の笑顔に ドクン!と心臓が大きな音を立てた瞬間だった。
/145ページ

最初のコメントを投稿しよう!